【市場急落】米大統領選2020におけるトリプルブルーの可能性は?

大統領選挙結果の確定で見過ごされるトリプルブルーの可能性

アメリカ大統領選挙の結果もほぼ判明し、大方の予想通り、バイデン氏が次期米国大統領に就任するという流れになりそうですね。

 

それでは、今後はどのような世界情勢になっているのかというと、現状とほぼ変わらないと考えられているのではないかと大方の人は予想されているのではないかと思います。

 

つまり、何を言いたのかというと民主党が圧倒的な大差をつけて、共和党を破っているわけではないので、議会の上院と下院と大統領の3つを民主党で押さえる・・・いわゆる民主党のシンボルカラーでもある青(ブルー)で統一された「トリプルブルー」の状態ではないということです。

 

大統領と下院は民主党が抑えたが、上院はまだ接戦、やや共和党有利といった状況ですね。

 

この上院の議席数も、接戦を繰り広げている州では、2021年の1月に決戦再投票をやる見通しとの報道もあります。

 

今は、大統領選後のバイデン次期大統領がほぼ確定し、視界不良の状態が解消されたとして、それを市場が好感し株高に進んでいる感はあります。

 

また、大統領選の結果を問わず、市場が行きたい方向にしか進んでいない、つまり、好材料にしか目を向けず、これから起こりうるであろう不安要素を織り込んでいないという見方もあります。

 

その市場が現在見ている好材料とは、

 

  1. トリプルブルーではないので、バイデン次期大統領候補が掲げる富裕層や法人に対する増税は、上院での共和党の反対により、実行されない。
  2. GAFAをはじめとするIT関連の巨大企業に対する規制や解体が進まない。
  3. 米国第一主義から国際協調路線へと方向転換されるが、米中対立という分野については、上下院ともに中国に対する圧力をかける方針で、ほぼ一致している。

 

従って、株式市場に大きなインパクトを与えるほどの地殻変動は、起こりえないという市場の見方が支配的ですかね。

 

ただし、この大統領選直後の市場に漂う楽観ムードにも落とし穴が隠されているかもしれませんね。

 

なぜなら、

 

  1. ランプ大統領がまだ正式に敗戦を認めておらず、むしろ、訴訟に持ち込んで徹底抗戦しようという姿勢を貫いている。
  2. 新政権への移行や引継ぎが、このまま、何事もなかったかのようにすんなりことが進むとは思えない。最後に、トランプ大統領が何かをやらかす可能性がある。
  3. 上院選で民主党が過半数以上獲得する可能性がまだ残されている。

 

特に、3番目ですかね、もし、民主党によるトリプルブルーが達成されれば、ほぼ間違いなく高確率で、市場は短期的には急落する局面を迎えるでしょう。

 

理由は、大型増税や規制強化案が議会でまとまりやすくなるので、それらは企業や富裕層にとっては、明らかにマイナス要素だからです。

 

尚、今回の選挙では、バイデン陣営が7000万票以上を獲得し、勝利を納めましたが、トランプ陣営も同様に7000万票以上を獲得しており、まさに国を真っ二つに二分してしまうという分断という結果に至っており、新政権移行後も、社会的な混乱や暴動が頻発する恐れは十二分にあります。

 

なにせ、予期せぬサプライズに対して、市場は反応するものですから、長期的に見た場合にはアメリカ市場は強さを発揮するでしょうが、バイデン次期大統領による次の4年間で、リーマンショック後の10年で経験したような急激な右肩上がりの相場は、今後は見込めないかもしれません。

 

市場では、バイデン政権下における金利の上昇も可能性としては高いとみており、また、ドルの信認という観点では、ビットコインをはじめとする暗号資産の台頭もあり、もちろん、人民元の覇権というシナリオも向こう数十年のスパンでは、考えられるかもしれません。

 

まあ、最終的には2021年の1月には、最終結果が判明するわけですから、トリプルブルーになるのか、ならないのかの見極めを行ってから、株式投資した方が賢明ではないかと思われますね。

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