香港ドルのペッグ制が中国経済の生命線
香港ドルは1983年から米ドルとの為替レートを安定させるべく、アメリカドルにペッグさせています。
その米ドルと連動していることから、欧米諸国をはじめ世界中からの中国市場向けの投資資金を集めてきました。
そして、これまで何度も繰り返してきた経済危機を何度も乗り越えてきた香港ドル。
今後も米ドルとのドルペッグ制を維持し続ける姿勢を示していることは確かですが、香港ドルのショートに賭ける投資家も出てきています。
恐らくですが、中国政府も基軸通貨であり世界で最も信頼度がある米ドルの支配からの脱却を目指すべく、人民元を流通させたいとと思っているはずです。
なので、香港返還後の1国2制度を維持する義務がある2047年までには、通貨においても何らかの手を打ってくると思われます。
つまり、米ドルに頼らなくても世界通貨としての中国発の世界通貨の構築を目指すはずで、それがデジタル人民元である可能性もあります。
こうなると香港ドルは無用の長物となり、他のドルペッグ制を維持できなかったタイ、インドネシア、アルゼンチン、韓国と同様に暴落は避けられても、変動為替相場制へ移行する可能性があります。
香港ドルペッグ制の崩壊は、すなわち、香港ドルの価値が目減りしていくということで、決して香港ドルが米ドルに対して価値が上がることは無いでしょう。
そうなると、香港への投資も減少し、中国への投資もおのずと減ってくるのは明らかです。
そうなる前に、デカップリングではないけど、欧米諸国からの投資よりも中国経済圏の拡大によるその経済圏域内の人民元による投資を拡大していくようにシフトしていくのではないでしょうか?
2047年までには香港ドルのペッグ制は崩れ、香港ドルの価値は減少し、デジタル人民元による中国経済圏の中での1地方都市へと香港は変貌していくのではないでしょうか?